先日手に入れたJimi Hendrix Tribute もどきのギターだが、よく見るとどうやらピックガードがあとから交換されたものらしいことがわかった。
というのもどう見てもピックガードのブリッジ周りが加工された後があるからだ。
加工しないと付けれなかった、と考えるとピックガードは交換されていると思うのが自然だ。
そもそもアッセンブリーは交換しようと思っているし、そしたらピックガードごと交換してしまおうと思った。
というわけで、ピックガードを外す。
そうしたところ、重大な疑惑が出てきた。
なんとこのボディーは57年モデルのものではないかという疑惑だ。
もともとついていたピックガードは68年または69年を意識したものである。
11本のビスの取り付け位置にプラスして、ネックのトラスロッド調整ネジにアクセスするためのエグリがあるからだ。
ネックが貼りメイプルのラージヘッドであるからこのピックガードが目指す年代は正解である。(加工している部分は除いて)
ただ、ピックガードを外すと、元々ビスがついていた位置以外にも2つ余計に穴が空いている。
一つがTone下にあるもの。もう一つがコントロールキャビティ上、センターピックアップの右側を延長していったところにあるものだ。
Tone下のものは、ピックガードを交換した際に、前のピックガードとはビス位置が若干違ったために空けられたものだと思う。
この時点でピックガードが交換されていることは確定。
しかし、センターピックアップ右側のものは通常の68、69年製のみならず、ピックガードが60年代前半ごろに11本止になって以降はこの位置にビスが来ることはない。
この位置にビスが必要なのは1プライで8本止のものだけだ。
ここに書いたように、このボディーはFender Japan製だとすると、Fender Japan製のボディーで8本止のピックガードということは50年代のモデルということになる。
Fender Japanで54年とか58年とかはあまり見かけないので、可能性から行くと57年モデルではないかと思ったわけだ。
ただし、コントロールキャビティの形から行くと、ボディ形状は11本止用のものに見える。
8本から11本に増えたネジを止められるように、60年代以降のコントロールキャビティにはコブがある。
というのはVintageオリジナルな話で、そもそもFender Japanの50年代モデルはそこまでトレースしているのかどうかがわからない。
手元にはFender Japanの50年代モデルがないので、ネットで調べてみた。
勝手にリファレンスしてしまうがここのBlogにあるギターはFender JapanのYngwie Signatureの57年モデルだがこの写真なんかでわかるように、コントロールキャビティの形が60年代や70年代のようにボコっとしているのがわかる。
なので、すくなくともFender Japanの50年代のモデルでもコントロールキャビティにコブがあるものがあるようだ。
また、このギターはリアピックアップのキャビティ部分にコード配線用の溝がないことも気になる。
Vintageとなるオリジナルの50年代の(とくに54年などの)モデルにはこの溝がないものもあるようなので、そういった部分でも50年代モデルの可能性が大きくなる。(これもFender Japanがそこまでトレースするものなのかわからないが。そもそも50年代にソリッドカラーなんて存在しなかったわけだし。)
と、謎だらけだが、とにかく、ちゃんとした68年、69年となる形のピックガードに交換することは決定。
ビスの穴位置も基本的に気に入らないので、全部埋めてしまうことにする。
今空いている穴をすべて埋木する。
ビス穴を木工用ボンドで満たし、今回は面倒くさかったので埋める木は爪楊枝。
ボンドがしっかり固まったら、埋め木をボディーと面一まで綺麗に削る
ボディに傷がつかないように、埋め木の周りはテープでマスキングする。
11本+2本の計13個の穴を埋めるのはちょっとつらかったが、なんとか綺麗にできた。
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