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2016年3月14日月曜日

Yngwie Signature Modelのベースモデル

現在Fender USAおよびFender Japanから発売されているYngwie Signatureモデルのスペックは下記のようになっています。
ヘッドストック
ラージヘッド
CBSファーストロゴ (トラディショナルロゴでWITH SYNCHRONIZED TREMOROが太字で記載されているもの)
ブレットナットトラスロッド
ネック
ブラスナット
メイプル指板/ローズウッド指板(ローズウッドはスカンクストライプあり)
スキャロップ(深め)
ネックジョイント
4点止め
アンカーボルトネックマウント
ボディ
アルダー
Seymour Duncan YJM Furyピックアップ
Flush Mounted Straplock ストラップピン
お馴染みのYngwie仕様なのですが、ベースとなるストラトを考えた場合、細かい点で幾つか気になるところがあります。
Yngwieは元々オリジナルのストラトを自分仕様にカスタマイズして使用してきました。
なので、ブラスナットやスキャロップ、ピックアップ、ジョイントシステムなどは(頑張れば)ベースとなるストラトを入手すれば後から同様の使用に近づけることができるはずです。
では、このモデルはどのストラトをベースにしているのか、を考えてみました。
ラージヘッドでブレットナットトラスロッドですので、Duckと同様の1970年台なのは間違いありません。
しかし、ロゴがCBSファーストロゴというところが問題です。
よくみるストラトでは、この仕様のものは見たことがありません。
CBSファーストロゴでメイプル指板の場合、一般的には指板が貼りメイプルになるからです。(指板が貼りメイプルの場合ヘッド側に飛び出る形のブレットナットにはならない)
CBSファーストロゴでブレットナットなんてものはオリジナルで本当に存在するのか?単純に本人がこのロゴとブレットナットが好みだから、そういう仕様にしているのでは?とも思いましたが、正解は
Concerto Suite for Electric Guitar and Orchestra in E flat minor Op.1 -Millenium-

このアルバム・ジャケットにありました。 このジャケットで持っているギターがまさにこの仕様のモデルです。
見えづらいですが、Yngwie Signature Modelのサインが入っていないこと、撮影の時期(1997年もしくは1998年前半と思われます)から考えてSignature Modelではありません。またこの時期に発売されている雑誌などでこのギターの存在が確認できますが、その写真などを見るとオリジナルのストラトであるように見えます。
というわけでかなりレアなのだと思いますが、この仕様のオリジナルは存在することになります。
Yngwie本人が所有するこのモデルが本当にオリジナルなのか、という疑問もありますが、これだけストラトにうるさい本人が所有するものなので、オリジナルなのでしょう。
では、オリジナルとした場合、何年のものなのでしょうか。
まずロゴから考えるとこちらにも書きましたが、CBSロゴファーストは1968年ごろから1972年ごろに採用されていました。
そして1960年代から1971年ごろは、指板はローズウッドとなり、メイプル指板はオーダーでの製造のみで、その場合貼りメイプル仕様となります。ですのでこのギター自体は1971~1972年の間にロゴの切り替わりと指板仕様の切り替わりの過渡期の中で生まれたモデルであると考えられます。
とすると、もう1点気になるところがあります。
12フレット上のポジションマークの間隔です。
12フレットのポジションマークの間隔は、スモールヘッド時代は広く、ラージヘッド時代になると狭くなります。基準にできるのが、広い間隔のものは5弦および2弦の真下にポジションマークが来る形になりますが、広い場合は5弦と4弦の間、3弦と2弦の間にそれぞれのマークが来る形になります。 このギターはラージヘッドですので、もちろん狭い間隔のポジションマーク、とおもいきや、先ほどのジャケット写真のギターをよく見ると、広めになっているように見えます。 また、最新のYngwie Signatureモデルも

こちらの写真を見ていただければ広めで設定されていることが分かります。 ということから、現在のYngwie Signature Modelはこのギターをベースに再現している、ということが間違いないようです。
ちなみに、最新のSignature Modelの1つ前、通称Updateと呼ばれるギターのポジションマークの間隔は狭いです。

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